今回は、クリエイター向けのデスクトップパソコンのDAIV KMシリーズのおすすめの選び方の紹介と、マウスコンピューター様からお借りしている実機レビューを行います。
*掲載内容は2025年9月時点の情報となるため、製品の仕様および販売価格は、予告なく変更する可能性があります。
DAIV KMシリーズとは

DAIVは、マウスコンピューターが展開する、クリエイター向けパソコンのブランドです。
そして、DAIVシリーズの中でも、フルタワー並みの性能を残しつつも、小型化したコンパクトなデザインが特徴なのが、KMシリーズとなっております。
クリエイターに必要な性能を維持しつつ、デスク周辺のスペースを圧迫せず、快適な作業環境を実現することが可能となっております。
外観
実際の外観を、実機を使い紹介していきます。
本体サイズは約215×465×380(突起物含むと約215×480×381)、本体重量は約10.7kgとなっております。
基本的な外観の様子



外観は、コンセプト通りにコンパクトかつ、洗礼された黒色に統一されたデザインです。
同性能に近い他社デスクトップPCとのサイズ比較



上記3枚の画像では、同性能に近い他社のデスクトップPCを並べ、サイズを比較しました。
左側がDAIV KMシリーズ、右側が他者モデルとなっております。
DAIV KMシリーズが他社モデルと比べ、1周りほど小さくなっており、非常にコンパクト化されていることが分かります。
移動・持ち運びやすさ


コンパクト化に加え、本体下部には前後左右に溝部分があり、移動の際には持ち運びしやすい形状になっております。
そのため、作業場所の変更の際や、デスク上に移動させる際などにはストレスが少ないです。
ポートの様子


本体の背面にメインのポートがあり、上部にもポートが存在します。
ディスプレイに関しては、DisplayPortが3つ、HDMIが1つあります。
USB-Aが全部で9つ、USB-Cが2つあります。
加えて、2.5G対応のLANポートが1つ、音声関係に関してはサウンド用ポートが1つ、マイク入力用が1つ、ラインアウト用が1つ、SPDIF用が1つあります。
電源ボタンは、上面にあります。

また、上面のポート類は、スライド式の蓋で閉めることができ、埃などから守ることができます。
冷却性能と防塵フィルター

発生した熱を、ケースの上部と背面の2方向から排出する構造になっているため、効率的に冷却することが可能です。

また、空気を取り入れる底面部分には、取り外し・水洗い可能な防塵フィルターが搭載されています。
そのため、埃などが溜まってしまった際のメンテナンスも容易にできます。
用途別おすすめのDAIV KMシリーズの選び方

DAIV KMシリーズの中から、おすすめのスペックや性能の選び方ついて紹介します。
DAIV KMシリーズは、さらに大まかに以下の4つのグループに分類することができます。
DAIV KM-I5 | DAIV KM-I7 | DAIV KM-A5 | DAIV KM-A7 |
KM-I5は、CPUにIntel® Core™ i5、もしくはIntel® Core™ Ultra 5を使用しているモデルになります。
KM-I7は、CPUにIntel® Core™ i7、もしくはIntel® Core™ Ultra 7を使用しているモデルになります。
KM-A5は、CPUにAMD Ryzen™ 5を使用しているモデルになります。
KM-A7は、CPUにAMD Ryzen™ 7を使用しているモデルになります。
世代などによって性能は前後しますが、Intel製のCPUをしている場合、
Intel Core i5 < Intel Core Ultra 5 < Intel Core i7 < Intel Core Ultra 7
AMD製のCPUを使用している場合、
Ryzen 5 < Ryzen 7
のように性能が変わります。
そしてKMシリーズでは、ある程度CPU性能に応じて、グラフィックボードのGPUが割り当てられています。
多少前後しますが、KM-I5とKM-A5では、
GeForce RTX™ 3050~GeForce RTX™ 5060 Ti
の範囲でGPUが割り当てられています。
こちらも大まかにですが、KM-I7とKM-A7では、
GeForce RTX™ 5060~GeForce RTX™ 5070Ti
の範囲で性能が割り当てられています。
普段使いの用途や、負荷が大きすぎないクリエイティブ系のソフト・ゲームであれば、KM-I5かKM-A5シリーズから選んでも問題ありません。
高負荷な3D制作・動画編集などのクリエイティブ作業やゲームなども快適にしたい場合、KM-I7かKM-A7シリーズから選ぶことをおすすめします。
自身の目的に応じたシリーズを選んだ後は、以下のようなサイトで詳細なCPUやGPU性能を検討し、決めることもおすすめします。
また、CPUはIntel Core i7からIntel Core i9のように購入時にカスタマイズできるので、自身でCPU性能を決めることも可能です。
用途別おすすめのパソコン
用途別に、いくつかDAIV KMシリーズからおすすめの機種を紹介します。
日常使い・エントリーモデル
こちらで選んだ3製品は、高負荷のかかる作業はあまりしないが、画像編集や軽い動画編集・小規模な3Dモデル作業などをする方におすすめです。
製品名 | |||
製品画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
値段(税込み) | 179,800円 | 209,800円 | 174,900円 |
OS | Windows 11 Home 64ビット | Windows 11 Home 64ビット | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i5 プロセッサー 14400F | インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225 | AMD Ryzen™ 5 7500F プロセッサ |
メモリ | 16GB | 16GB | 16GB |
ビデオカードメモリ | 6GB | 6GB | 6GB |
GPU | NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 | NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 | NVIDIA® GeForce RTX™ 3050 |
ストレージ | 1TB | 1TB | 1TB |
重さ | 約10.1kg | 約10.2kg | 約9.8kg |
製品説明 | CPUにはインテル® Core™ i5 プロセッサー 14400F、GPUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 3050を採用しており、軽負荷のクリエイティブ作業を行うことができるスペックを確保している。 | 左のDAIV KM-I5G5AのCPUをインテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225にグレードアップしたモデル。少し余裕を持ったスペックを希望する方におすすめ。 | 一番左のDAIV KM-I5G5Aと比べ、CPUにAMD社のAMD Ryzen™ 5 7500F プロセッサを使用しているため、同程度のスペックのCPUにも関わらず、値段が少し安い。コストを抑えたい方におすすめ。 |
ある程度の負荷の作業向け・スタンダードモデル
こちらで選んだ3製品は、4K動画編集や中規模以上の3D制作・レンダリングのような、ある程度負荷が大きいクリエイティブ作業をする方におすすめです。
製品名 | |||
製品画像 | ![]() | ![]() | ![]() |
値段(税込み) | 274,800円 | 269,800円 | 349,800円 |
OS | Windows 11 Home 64ビット | Windows 11 Home 64ビット | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ i7 プロセッサー 14700F | インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225 | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265 |
メモリ | 32GB | 32GB | 32GB |
ビデオカードメモリ | 16GB | 16GB | 12GB |
GPU | NVIDIA® GeForce RTX™ 5060 Ti (16GB) | NVIDIA® GeForce RTX™ 5060 Ti (16GB) | NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 |
ストレージ | 1TB | 1TB | 2TB |
重さ | 約10.3kg | 約10.5kg | 約10.7kg |
製品説明 | CPUにはインテル® Core™ i7 プロセッサー 14700F、GPUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 5060 Tiを採用しており、ある程度負荷のかかる作業も十分にこなせるスペック。 | 左のDAIV KM-I7G6Tと比べ、CPUがインテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー 225に下がっているが、こちらもある程度負荷のかかる作業をこなせるスペックを持っている。コストを多少抑えたい方におすすめ。 | CPUにはインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265、GPUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 5070を採用しており、左の2つよりも高いスペックを確保している。40万円を超えるような高スペックPCは不要だが、ある程度スペックに余裕を持ちたい方におすすめ。 |
高負荷の作業向け・ハイエンドモデル
こちらで選んだ2製品は、4K以上の動画編集や大規模な3Dモデル制作など、高負荷なクリエイティブ作業を快適に、かつ幅広く行いたい方におすすめです。
製品名 | ||
製品画像 | ![]() | ![]() |
値段(税込み) | 409,800円 | 369,800円 |
OS | Windows 11 Home 64ビット | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265 | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265 |
メモリ | 32GB | 32GB |
ビデオカードメモリ | 16GB | 16GB |
GPU | NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 Ti | AMD RADEON™ RX 9070 XT |
ストレージ | 2TB | 2TB |
重さ | 約11.7kg | 約10.7kg |
製品説明 | CPUには、高性能なインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265を採用し、GPUにも高性能なNVIDIA® GeForce RTX™ 5070 Tiを採用しており、高負荷で幅広いクリエイティブ作業ができる性能。 | GPUには、NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 Tiと同程度以上の性能のAMD社のAMD RADEON™ RX 9070 XTを採用しており、左のDAIV KM-I7G7Tよりも価格を抑えています。高性能パソコンの性能を落とさず、少しでも安く手に入れたい人におすすめ。 |
今回の使用モデルDAIV KM-I7G70の性能検証

今回の使用モデルのDAIV KM-I7G70の性能検証を行いましたので、結果をまとめました。
DAIV KM-I7G70スペックは以下の通りになります。
製品名 | |
製品画像 | ![]() |
値段(税込み) | 349,800円 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
CPU | インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265 |
メモリ | 32GB |
ビデオカードメモリ | 12GB |
GPU | NVIDIA® GeForce RTX™ 5070 |
ストレージ | 2TB |
重さ | 約10.7kg |
製品説明 | CPUにはインテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265、GPUにはNVIDIA® GeForce RTX™ 5070を採用しており、左の2つよりも高いスペックを確保している。40万円を超えるような高スペックPCは不要だが、ある程度スペックに余裕を持ちたい方におすすめ。 |
PCMark 10による検証
最初に、パソコンの全体的な性能を調べることができるPCMARK 10を使い、検証しました。

全体スコアは8728点、Essentials(日々の需要)のスコアは10450点、Productivity(生産性)は9254点、Digital Content Creation(デジタルコンテンツクリエーション)は18655点という結果になりました。
簡単な作業を行うための基準としては、Essentials(日々の需要)は4100点以上の点数が推奨されており、本製品では10450点と2倍以上の高い点数を記録しています。
一般的なオフィス作業や簡単なメディアコンテンツ制作のための基準として、Productivity(生産性)は4500点以上の点数が推奨されており、こちらも本製品は9254点と基準の2倍近い点数を記録しています。
写真、動画、その他のデジタルコンテンツ編集向けの基準として、Digital Content Creation(デジタルコンテンツクリエーション)は3450点以上の点数が推奨されていますが、本製品は18655点と5倍以上の点数を記録しており、クリエイティブ作業に関して非常に適性があることが分かります。

上記の画像は、PCMARK 10で検証された他の製品と性能を比較したグラフです。
PCMARK10で計測された他の製品等と比較すると、全体の95%よりも性能が高いことも分かりました。
CinebenchによるCPU検証
CPUスコアを調査できるCinebenchでも検証を行いました。
CPU(Multi Core)では、全てのCPUコアを使用した場合の点数、CPU(Single Core)では、単体のコアのみを使用した場合の点数になります。
今回測定した結果は、以下のサイトを基にスコアを評価しています。

本製品のCPUは、インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 265を採用しています。
本検証では、CPU(Multi Core)の点数は1352点、CPU(Single Core)の点数は127点という結果となりました。
https://pcrecommend.com/cpu/cinebench2024/
測定サイトでは、CPU(Multi Core)の点数は1411、CPU(Single Core)の点数は136という点数となっており、本製品と比較サイトのスコアと近い結果を確認することができました。
3DMARKによるGPU検証
3DMARKによるGPU・グラフィック性能の検証も行いました。
本検証では、4K解像度でのレンダリングを行い、フレームレート(FPS)を計測するSteel Nomadを使用しています。

検証結果として、Steel Nomadスコアは5083点、グラフィックテストは50.83FPSという結果となりました。
4Kのような高解像度のゲームを使用しても、約50FPSのフレームレートがでることが確認できました。
4Kのようなゲームをプレイするのに最低限必要なFPSは30FPS、快適にプレイするには60FPS以上必要と言われています。
そのため、RPGなどのようなゲームはそのまま十分遊ぶことができますが、FPSや格闘ゲームのようなシビアなアクションが求められるゲームでは、4Kでそのまま遊ぶのではなく、設定を調整する必要がある場合もあります。
3Dモデルソフトでの検証
実際に、本サイトで多く扱う3DモデリングソフトのRhinocerosと、そのソフトで使えるプログラミング機能のプログラミングを使用してみました。

非常に複雑で負荷のかかるモデルをプログラミングで作成していますが、読み込み速度も速く、非常に快適に操作をすることができました。
そのため、本製品のスペックであれば、余程の大規模な開発でなければ、基本的に様々なクリエイティブ作業をするのに十分な性能があることを確認しました。
まとめ
DAIV KMシリーズを実際に使用させていただき、コンパクトかつフルタワー並みの性能を持っているため、部屋のスペースに捕らわれない、多くのクリエイターにおすすめの選択肢だと感じました。
デザインもコンパクトで洗礼された黒色で統一されているため、部屋のインテリアなどの雰囲気を妨げないため、部屋作りにこだわる人にもおすすめだと感じています。
今回は以上になります。
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