建築やプロダクトデザインを学ぶ学生や社会人の方は、ライノセラスやグラスホッパーに触れる場面があると思います。
今回は様々な本や参考書で学習し、現在このサイトでrhinocerousとgrasshopperについて解説している私が、ライノセラスとグラスホッパーそれぞれの本や参考書を比較しました。
そして、ライノセラス5冊、グラスホッパー4冊、ライノセラス・グラスホッパーどちらも2冊の厳選した計11冊を1冊ずつ解説します。
ライノセラスの本・参考書5選一覧
グラスホッパーの本・参考書4選一覧
ライノセラスとグラスホッパーどちらもまとめて学べる本・参考書2選一覧
比較の基準として、例外を除きライノセラスにグラスホッパーが標準搭載されるようになったライノセラス6.0以降に対応した本・参考書に厳選しています。
今回基本的には紹介しませんが、古いバージョンである5.0以下の本・参考書の情報は古く、新しい機能などに対応していないことがあるので購入するという方は注意してください。
人によって適した本は変わるので、是非自分に合った参考書を見つけてください。
それではライノセラスの本・参考書から解説していきます。
先にグラスホッパーの本・参考書の解説を見たい方は下のボタンからスキップしてください。
先にライノセラスとグラスホッパーどちらもまとめて学べる本・参考書の解説を見たい方は下のボタンからスキップしてください。
ライノセラスの本・参考書5選
建築向け
最初の2つは建築のモデリングをしたい人におすすめの2冊になります。
建築設計者のためのRhinoceros 【Rhino7対応】
発売日:2021年11月20日 ページ数:344P
この本は2021年に発売された比較的新しい建築設計者に向けた参考書になります。
コンピュテーショナルデザインの実践現場から導き出された建築モデリングの本なので、非常に実践的です。
本書の流れとして3つの段階があり、
[基本操作]モデリングの基礎をマスターする
[建築実習] 実践的なモデリングをマスターする
[資料作成] 図面作成をマスターする
のようにライノセラスの基礎的な部分から、実践的な建築のモデリングに加え、建築モデルから図面などの資料の作成方法を学んでいきます。
数多くのコマンドがあるライノセラスから、建築設計に本当に必要な情報を厳選して学ぶことができます。
本書で使用したデータをサンプルファイルとしてダウンロードできるのも魅力的です。
Rhinoで学ぶ建築モデリング入門 Rhino7対応
発売日:2017年6月14日 ページ数:272P
本書はライノセラスの標準機能であるプログラミングの一種のグラスホッパーの普及に対し、肝心のライノセラスがしっかりと使えないという人々に向けて作られました。
そこで実在する建物を教材にし、ライノセラスでの建築モデリングの手法を解説しています。
日本で一番とされる建築組織設計事務所の日建設計の方によって監修されており、最前線の人々の知恵や経験から作成されています。
本書は以下のように6章の構成になっています。
第1章:「Rhinocerous」を学ぶ
第2章:ボリュームスタディから「基礎」を学ぶ
第3章:既存建築をトレースして「モデリング」を学ぶ
第4章:建築のモデリングを通して「プロセス」を学ぶ
第5章:モデルデータの「連携」を学ぶ
第6章:モデルの「視覚化」を学ぶ
ライノセラスの基礎から建築モデリングの過程や連携、視覚化を通して全体的な建築モデリングを学習していきます。
プロダクト・家具デザイン向け
Rhino 6 入門
発売日:2019年7月27日 ページ数:336P
本書はライノセラス初心者の方が、工業製品や家具のモデリングを通して少しずつ学習を進めていきます。
本書を進めていくにつれて少しずつ使用するコマンドが増えていくので初学者の人でも順番に学ぶことができます。
実際に以下の内容のモデリングを通して学習を進めます。
直方体と球
壺と大皿
ロボット
屑入れ(くずいれ)
スプーン
ギターアンプ
椅子
ライター
ティーポット
シャワーヘッド
光線銃
曲面でできた椅子
マウス
Macユーザー向け
MacではじめるRhinoceros 〜Macでオリジナルのモデルを3Dプリントしよう!
発売日:2015年11月8日 ページ数:280ページ
本書はMacユーザーであり、ライノセラス初心者の方に向けて作られています。
Mac版のライノセラスは、Windowsのライノセラスとは多少異なる部分があります。
そのため、本書はMac版のライノセラスの解説になっているため、Macユーザーには嬉しい1冊になっています。
注意する点として、本書はライノセラスのバージョン5で解説されており、多少今回紹介する他の参考書よりかは発売日も古いことが挙げられます。
本書はMac版ライノセラスの下準備の説明や、プロダクト・家具・ハウスなどのモデリングを通して学習を進めます。
また、3Dプリンター用に解説があるのも特徴の1つになっています。
実際に、以下のように章ごとに学習を順番に進めていきます。
第1章:Rhino 5 for Macを使う準備
第2章:モデリングを始める前に①
第3章:モデリングを始める前に②
第4章:3Dモデリングを作ってみよう
第5章:プレートのモデリング
第6章:ワイングラスのモデリング
第7章:iPhone6ケースのモデリング
第8章:キャラクターのモデリング
第9章:テーブルのモデリング
第10章:椅子のモデリング
第11章:ドールハウスのモデリング
第12章:レンダリングと色付きモデルの出力
第13章:UV曲線を使ったモデリング
全員向け
Rhinoceros 逆引き コマンド・リファレンス
発売日:2017年3月25日 ページ数:432P
本書はライノセラスの約900あるコマンドを使用目的ごとのカテゴライズに加え、使用頻度の高いコマンドを重点的に解説をしています。
ライノセラス初心者から上級者まで幅広い人が持っていて損がない内容になっており、学習からコマンドの辞書のような使い方までできます。
本書の内容は以下のようになっています。
第1章:インターフェイス
第2章:点や線、ソリッドのプリミティブを作成する
第3章:自由曲線の作成と編集
第4章:サーフェスの作成と編集
第5章:メッシュの作成と編集
第6章:変形・解析
第7章:レンダリング
第8章:便利な機能
グラスホッパーの本・参考書4選
建築・プロダクト向け
Parametric Design with Grasshopper 増補改訂版 建築/プロダクトのための、Grasshopperクックブック
発売日:2018年10月19日 ページ数:552P
本書は建築・プロダクト業界で以前から人気だった旧バージョンに増補強し、改良された改訂版です。
タイトルにもある通り、建築・プロダクトに関するグラスホッパーの習得に役立ちます。
加えて、Pythonを使用したグラスホッパーの使用方法なども解説されています。
ページ数も552ページあり、多くの内容を学べます。
使用されるサンプルはデータとしてダウンロードもすることが可能なのも嬉しいポイントです。
内容としては基礎編と応用編に分けれています。
基礎編ではグラスホッパーの基本説明からコンポーネント、データ構造などを学びます。
応用編では56個のサンプルの作成を通して学習を行います。
詳しい内容は以下の通りになります。
基礎
1.1 Grasshopperとは
1.2 起動
1.3 Grasshopperを始めよう
1.4 コンポーネントとは
1.5 Grasshopperのインターフェイス
1.6 Rhinocerosとのデータの受け渡し
1.7 Grasshopperのデータ構造
1.8 カーブ/サーフェス
1.9 メッシュ
1.10 ライブラリ+User Object
1.11 Pythonの基礎
応用
2.1 図形編
2.2 形相編
2.3 模擬編
建築向け
建築実務のプロが作ったRhinoとGrasshopperの本
発売日:2022年10月28日 ページ数:488P
本書は建築実務の中で実際にグラスホッパーを活用しているプロの方が作成した本になります。
建築の実施設計だけでなく、施工・製作段階でもグラスホッパーを活用できるということを中規模以上のビルの設計・施工する例で解説しています。
こちらもグラスホッパーのデータファイルをダウンロードすることができます。
本書は大きく分けて基礎編・実践編・応用編の3つの構成になっています。
基礎編ではグラスホッパーの基本やデータ共有の基礎を学びます。
実践編ではグラスホッパーを用いた建物の構造や外装・施工の方法について学びます。
応用編ではグラスホッパーのさらに特別な使い方について解説しています。
内容は以下の通りになります。
基礎編
第1章 建築実務で必要な基本知識
第2章 データを共有するための手法
実践編
第3章 鉄骨における使いかた
第4章 コンクリートにおける使いかた
第5章 外装における使いかた
第6章 施工における使いかた
応用編
第7章 設計・製造工程を意識したデザインモデリングとアルゴリズム
第8章 Grasshopperの使いかたあれこれ
第9章 Rhino/Grasshopperモデル/アルゴリズム・サンプル集
基礎向け
Grasshopper入門
発売日:2018年6月20日 ページ数:287P
本書はライノセラスの基本はできているが、グラスホッパーを使用したことがない人に向けて作られています。
そのため基礎的な部分に重点を置いており、グラスホッパー初心者に適した内容になっています。
本書は全部で5章で構成されています。
第1章ではグラスホッパーの基礎で、初学者にはありがたい点・カーブ・サーフェス・2次元・3次元図形などの初歩の部分を詳しく説明しています。
第2章ではグラスホッパーのコンポーネントの紹介があり、第3章ではコンピュテーショナルデザインの基礎を学びます。
第4章でモデリングを通して実践的に学び、第5章ではダウンロード可能なサンプルファイルの解説にあっています。
第1章:Grasshopperの基礎
第2章:Grasshopperのコンポーネント
第3章:コンピュテーショナルモデリングの基礎
第4章:デザインとモデリングの演習
第5章:サンプルファイル各種
中・上級者向け
コンピュテーショナル・モデリング 入門から応用 Grasshopper × スクリプトで極めるアルゴリズミック・デザイン
発売日:2019年9月9日 ページ数:320P
本書はグラスホッパーのアルゴリズムの理解に関して重点を置いており、建築やプロダクトどちらにも適した内容になっています。
そのため、ただグラスホッパーを使えるようになるだけでなく、根底にあるコンピュテーショナルデザインやアルゴリズムに基づいたデザイン手法を理解することができるようになります。
本書の流れとして、グラスホッパーの基礎からデータ構造や数学表現の1つであるNURBS、物理演算や最適化などを学ぶことに加え、プログラム言語であるPython・C#などのスクリプト言語を使用して学習を行います。
全部で7章で構成されており、以下のようになります。
第1章:アルゴリズム構築と開発環境概要
第2章:インターフェイス
第3章:Grasshopperモデリング基礎
第4章:データ構造とNURBS
第5章:KangarooとGalapagos
第6章:スクリプト言語を使用したコンピュテーショナル・モデリング
第7章:サンプルアルゴリズム
ライノセラスとグラスホッパーどちらもまとめて学べる本・参考書2選
幅広い層向け
Rhino × Grasshopper All in 1 パーフェクトリファレンス Rhino7対応
発売日:2022年3月29日 ページ数:448ページ
本書は使用頻度の高いライノセラスのコマンドとグラスホッパーのコンポーネントを1冊で網羅することができる1冊になっています。
1冊あれば必要なライノセラスのコマンドとグラスホッパーのコンポーネントを押さえることができるのは非常に魅力的です。
内容的には基本的な部分から実践的な部分まで幅広くあり、多くの層の人々に向いており、ホームページからデータダウンロードも可能になります。
全部で7章の構成になっており、第1章から第3章まではライノセラスの解説で、第4章から第6章までがグラスホッパーの解説になっています。
第1章:基本機能・インターフェイス
第2章:モデリングの流れを理解する
第3章:Rhinoコマンドリファレンス
第4章:Grasshopperを使ってみる
第5章:GHコンポーネントリファレンス
第6章:実践的なモデリング
第7章:付録
ライノセラスとグラスホッパーを始めるきっかけ向け
Rhinoceros+Grasshopper 建築デザイン実践ハンドブック 第3版
発売日:2019年5月17日 ページ数:144ページ
本書は既存の第2版ライノセラス6.0に対応するために改定された第3版になります。
本書は144ページと他の参考書と比較しても非常にページ数が少ないです。
しかし、ライノセラスとグラスホッパーを使用した建築実務に必要な最低限必要な情報がコンパクトにまとめられています。
そのため、気軽にライノセラスとグラスホッパーを始めるきっかけには相応しい1冊になります。
内容はチャプター1ではライノセラスでチャプター2でグラスホッパーについて学びます。
Chap.1 Rhinoceros
モデリングのキホン
モデリングのジッセン
Chap.2 Grasshopper
グラスホッピングのキホン
グラスホッピングのジッセン
グラスホッピングのソザイ
まとめ
ライノセラスの本・参考書5選一覧
グラスホッパーの本・参考書4選一覧
ライノセラスとグラスホッパーどちらもまとめて学べる本・参考書2選一覧
今回はライノセラス5冊、グラスホッパー4冊、ライノセラスとグラスホッパーどちらも2冊の合計11冊を紹介しました。
是非自分にあった参考書で学習を進めてください。
今回は以上になります。
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